海賊になって幾とせ。
ゴーイングメリー号は今日も大海原を進みます。
今日はそんな海賊ライフと愉快な仲間達にスポットを当てていこうと思います。
海賊とは言っても毎日が血沸き肉踊るな戦闘を繰り広げているわけでなく、普段はこれでもかと言うくらい平和だ。
かくいう今日もすこぶる天気もよく気持ちがいいので、甲板で日なたぼっこしながら本を読みたいと思います。
マイ昼寝用羊型枕を小脇に抱えて外へ出るといつもの場所でゾロがアホみたいにでかい鉄の塊がついた棒らしきものをぶんぶん振っていた。
ゾロは剣士で大剣豪になるのが夢らしい。
だからかいつも何か鍛練してるかそれか寝てるかどっちかで毎日飽きないのかと思う。
でもまあ飽きる飽きないの問題じゃないんだけど。
後、何故あんなくそ重たい明らかに規格外なもん振り回せるのか疑問だ。
もうつっこんだら負けだと思っている。
そんなことを考えながら日当たりのいい場所を探してたらゾロとばっちり目が合った。
目線を外したら負けだと思ってガン見してたらすごい嫌な顔をしてきた。
「んだよその顔は。」
「いや、目線先に外した方が負けやと思って。」
「犬の喧嘩かよ。そうだ暇ならちょっと手伝いしろ。」
「え、暇ちゃうし。これから日なたぼっこ兼読書その流れでそのまま昼寝するという素敵プランがあるんやから無理。」
「要は暇なんじゃねえのかそれ。何でもいいから手伝え。」
「話聞いてんのかこのマリモヘッド。上から目線が腹立つがしゃあないから手伝ったるわ。」
仕方ないので今日の素敵プランは変更してゾロに付き合ってやることにしよう。(でも舌打ちされた)
羊さん枕を傍らに置いてとことこと近寄っていく。
「あれか、またあの腕立て伏せのやつ?」
「ああ、背中乗ってくれ。」
「おっけい。」
手伝いというのは大体この私が背中に乗って腕立て伏せをするというのが殆どだ。
たまに一緒に組み手もする。まあ当たり前だが負けるけど。
腕立て伏せが始まると暇なので持ってきた本を読む。
この揺れまくる中文字を読むのも慣れたもんだ。
本が中盤くらいに差し掛かってくると、腕立ての回数も一万回を突破した。相変わらずの異常っぷりである。
何でそんなできるんだとこれまたつっこんだら負けだ。
ようやるわ、と思ってぺらりと本のページを捲る。
ちょっとお腹が空いたのでポケットから板チョコを取り出して食べていた。
「ぱりぱり。」
「10251、10252、10253」
「ぱりぱ……あ、やべ。」
「10254……おい、やべって何だ。やべって。」
「ごめんゾロの背中に板チョコのかけらが大量にこぼれた。」
「人の背中で食ってんじゃねえよ!ちゃんと掃っとけよ。」
「おー。……あ、やべ。」
「……またかこのやろ。今度はなんだ。」
「掃おうと手でやったら溶けて服にべたって付いちった。」
「何やってんだアホー!!」
クワワッとゾロが大変恐ろしい形相で睨みつけてきた。
私はぽんとゾロの肩に手を置いてへらりと笑顔をつくる。
「どんまい!」
「やった張本人が言う台詞じゃねえな。」
「いやあすまんすまん。悪気はなかったんやでまったく。」
「何だその悪びれるかけらもねぇ謝罪は!」
「えー、じゃあサーセン。」
「よーし、お前の態度はよく分かった。ちょっとそこに直れ。俺がしつけてやる。」
「やだ、ゾロなんかその言い方エロい。」
「ぶっ殺すぞテメェ!」
がばっと立ち上がったと同時に私も猛ダッシュで逃げ出した。甲板をぐるぐると駆け回る。
「待て!この馬鹿!」
「待て言われて待つかこの唐変木!ってぎゃあ!刀抜きやがった!恐っ!」
「お?何だ。ゾロと鬼ごっこか?」
「あ、ルフィ。そうやで、これは命を懸けたデッドオアアライブなまさに字の如く”鬼”ごっこなのだよ!」
「おお!なんか知らねーけどすげえな!がんばれよ!」
「あんがとルフィー!」
「ゴルァ!ー!」
「ぎゃああ!来たー!」
その後、鬼ごっこから何故か組み手に変わってサンジが夕飯の号令をかけるまで地獄のトレーニングは続きました。
わたしのくらし。(剣士さんといっしょ)
「はっ、今回も俺の勝ちだな。」
「ちっ!大人のくせに子供相手に大人気ないなぁマリモは!」
「なんだともう一回やるかコラ。」
「おうおうやったろうやないかいワレ、ゴラ。」
「うるさいわよあんた達!」
ゾロさんと絡む回。
背中に乗って腕立てしてもらうのはロマンだと思う。←
10.7.17