「島だー!!!」




我が船長の元気のいい声が響き渡って、私は部屋から飛び出した。
いつもの定位置のメリーの頭にいるルフィの背中に飛びついて肩越しに島を確認した。にしし、とルフィは私を見て笑った。



「おー!島や!久々の陸上やー!」

「肉ー!肉食うぞー!!」

「お菓子ー!お菓子買うぞー!!」

「あんたらうるさいわよ!」



ナミにげんこつをくらったけど、島への興奮は押さえられない。
だって久しぶりにお菓子を買うことができるのだ。
前の島で買った分はとうに底をついていて、暫く苦悩の日々を過ごしていた。
毎日サンジがおやつを作ってくれるが、お菓子は別なのである。
チョコレートやクッキー、飴にガムにスナック菓子。
サンジのおやつも大好きだがお菓子はまた別に素晴らしい!

島に上陸する前にナミからおこづかいが皆に配られた。
船番は既に寝に入っているゾロだ。
最後に私におこづかいを渡すと、ちょっと待って、と呼び止められた。



「今日はは私達と行動してもらうわよ。」

「えー!何で!」

「あんたにお金渡したら大概お菓子に注ぎ込むでしょう。だから今日はあんたの服とか見繕いに行くの。」

「注ぎ込むったってナミ、お菓子は500ベリーまでしか使わせてくれへんやないの!」

「当たり前でしょ!、あんたが前にやらかしたこと忘れたとは言わせないわよ。」

「うっ……!」



こつこつと額を手で小突かれて、ナミは恐ろしい表情で睨んできた。(恐っ!)

それは私がまだ仲間に入りたての時のこと、
海賊になって初めての島で私はナミに渡されたおこづかい全てを使ってお菓子を大量に買ってきた。
船に戻ってからナミに鬼のような形相で延々とお説教をくらったのだ。(頭にはたんこぶのオプション付)

それ以来お菓子を買っていい上限が500ベリーまでとなってしまった。
(そしてちゃんと守っている)(守らないと恐い)



「という訳で今日は私達と一緒に来てもらうわよ。」

「そんなー。ロビンー。」

「諦めなさい。それとも私達と行くのがそんなに嫌?」

「嫌とかそんな滅相もない!むしろ喜んでお姉様!って感じやねんけど…。」

「あら、ならいいじゃない。私達も色々買い物するから、荷物持ってね!」

「ほらやっぱりそっちが目的やんか!」



ずりずりと二人に引きずられて、結局市中連れ回しの刑にあうことになりました。









*****








「あ、この服かわいいんじゃない?」

「あら、それならにはこっちの色が似合うわよ。」

「そうねー。じゃあこれも買いましょうか。あ!あっちのワンピースもかわいいわよ!」



現在地、島の商店街。服屋さんに来ております。
二人はきゃいきゃいと実に楽しげに取っ替え引っ替え服を私に当てがってさながら着せ替え人形のようです。
荷物持ちも嫌だが、こうなるからちょっと嫌だったんだよなあ。
美人姉様二人に囲まれて選んでくれるのは悪くないが。むしろごちになりやす。


ナミはうちの船の航海士さんだ。
彼女がいないとあの船は今頃偉大なる航路をさ迷いまくっているに違いない。
頭いいし、何より船の数少ない常識人だし。んでもって美人。ただお金に弱いのが少々難点だ。

ロビンは考古学者さん。うちの船のブレイン2だ。
頭がいいし知識豊富、おまけに手がいっぱい生える?ハナハナの実の能力者で強い。
歴史物に目がなくて、歴史的な物を傷つけた時のロビンはめっさ恐い。
後、よく面白い本を貸してくれる。んでもってやはり美人である。

まあ要は二人共うちの船の頭脳兼アイドルなんだなこりゃ。


現実逃避の為、二人の考察をしていたらいつの間にか会計を済ませたナミが私の頭を軽く叩いた。



「痛いっ!」

「なあにぼけっとしてんのよ。ほら、の服買ってあげたわよ。」

「うわあい、ありがとうナミ、ロビン。」

「ふふ、いいのよ。」

「なんか若干棒読みなのが気になるけど、さあ次行くわよ。」

「え、まだ行くの?」

「あら、今回はまだお菓子買ってないでしょう。それとも買わなくていいのかしら。」

「うわああ!そうやった!買う!買います!行きますお姉様!」

「その呼び方はやめなさい。」



お店について沢山並ぶお菓子類に目が輝く。
今なら肉を前にしたルフィよりいい顔をしている自信がある。
そんな私を呆れたようにナミが見て、ロビンが近くの本屋へナミもどっか店を見てくると言って出ていった。
しっかりと500ベリーまでよ、と念を押して。
あれよこれよと選んで買って行き、次のお店に入った時に新発売のチョコレートを見つけた。

そしてその隣には同じく新発売のポテチ(醤油バターマヨ味)が。
残りのベリーは100、そしてこのチョコレートとポテチも100ベリー。つまりどちらか一つしか買えない。

なんという選択なんだ!

右手にチョコレート、左手にポテチを持ってぐぬぬ、と悩みに悩む。
暫く唸っていると後ろから黒い影がさした。



「あんた何て顔してんのよ。」

「あ、ナミ。買い物は?」

「もう済んだわよ。で、何してんの?」



ナミが横から私の手元を覗き込む。
私は残りが100ベリーであること、そして故に今究極の選択を迫られていることを話した。



「そんな馬鹿なことで悩んでんの?」

「馬鹿とはなんや!これは私にとって大事なことなんやから!」

「ふーん。」



さもアホらし、といった顔をしてナミは私の悩む様をじっと見た。
正直私はそれどころじゃないので眉間に皺を寄せて必死に考えた。
甘いのをとるかしょっぱいのんをとるか……。

ぶつぶつ呟いて交互に商品を見てたら、右手に持っていたチョコレートがひょいとナミによって奪われた。



「え、ちょっとナミ?」

「仕様がないからこっち買ってあげるわ。」

は?え?うそ!ナミが!?

それどういう意味よ。買うのやめるわよ。」

「わー!ごめんなさい!でも、ほんまにええの?」

「たまにはね。まあ100ベリーくらい。」



お店の人にナミが代金支払ったので、私も慌ててポテチのお金を支払った。
はい、と私にチョコレートを手渡してくれた。



「ありがとうナミ!愛してる!」

「やーね、大袈裟よ。」



そう言ってがばりと抱き着いたら、ナミは苦笑しながら受け止めてくれた。

あー、マジ素敵や姐さん!らびゅー!

外に出たらロビンが待っていて、私とナミの顔を見るとくすくす笑った。



「何よロビン。」

「いいえ、航海士さんもには甘いんだと思って。」

「な、違うわよ!今回はたまたまよ。たまたま!」

「ふふ、そんなに照れなくてもいいじゃない。」

「もう!ロビン!」



わあわあ何やら二人が言い争っているが、私はいっぱい購入したお菓子にほくほくで耳に入らなかった。
荷物を肩にかけ直して、ナミとロビンの手を掴む。



「さ、帰ろう!私達の船に!」



二人は顔を見合わせてから私を見るとにっこりと笑った。



「よし、帰ろっか。」

「ええ、そうね。」



右手にはナミの手、左手にロビンの手が握られて、サンジなら泣いて喜びそうなまさに両手に花の状態。
まあこれも特権だね。繋いでくれた両手はとても暖かかった。









わたしのくらし。(航海士さんと考古学者さんといっしょ。)



















一味の花形、ナミさんとロビンさんと絡む回。
夢主にとって正に二人はお姉さん的存在。
怒られつつもなんやかんやで可愛がられてたらいい。←

10.7.17