「ゆ、誘拐されたってどういうこと!?」

「ええ、落ち着いて聞いて。あの後を探してたんだけど……」











*****










「おかしいわね、ちっとも見つからないわ。」


がやがやと騒がしい街中を一人歩いていた。
念の為一度サニー号に戻ったのだけれど、フランキーはは私達の所へ向かったと言っていた。

それから船には戻ってないと言うし。



「……入れ違いになったのかしら。」


「あれ、ロビンちゃん?どうしたんだいそんな所で。」



思案していると、商店の向こう側からサンジ君が近づいてきた。



「あら、サンジ君。を探してるのだけれど見なかった?」

?いや、見てないな。…俺も丁度買い出し終わったし一緒に探すよ。」

「ええ、ありがとう。」



それから一緒に町を探し回ったけど、中々見つからなくて一旦ナミと合流しようかと話していたら……。



「いやあ、まさか今回の買い出しでこんな収穫があるとはなあ。」

「いやまったくだ!まさかあんなガキがずっと博士の探していたモノだったとは。」



目を向けると如何にも怪しい男が二人沢山荷物を抱えて話し込んでいた。
サンジ君も怪しく思ったのか、顔を見合わせて頷くと暫くそいつらの話に耳を傾けた。



「お前はまだここに入ったばっかだから知らないだろうが、
 あのガキ、被験者No.16は博士の研究で一番上手くいった奴なんだ。それはもう他の被験者とは比べものにならないくらいな。」

「へえ、あれがねえ。とてもそうは見えないが。」

「逃げた時なんかあいつには研究員が沢山怪我させられてさ。大変な被害だったんだ。
 ただでさえ博士のお気に入りが逃げたってだけでも大目玉だっていうのに。」

「まあ話には聞いてたんだが、まさかそれほどとはな。
 常に携帯させられていた麻酔薬の意味がようやく発揮されたってわけだ。」

「ああ、きっと俺達は博士から褒美が貰えるぞ。」

「いやまったく様々ってわけだな!」



あの男、今って……。

隣を見やると同じことを思ったのか、目が合うと互いに頷いた。
ゆっくりと男達に歩み寄ると、気づいたのか怪訝そうな顔でこちらを窺ってきた。



「ちょいとお尋ねしたいんだが。」

って小さい女の子、知らないかしら?」

「・・・・・・!あ?何だあんたら一体……。」

「おい、こいつら確かNo.16がいた海賊の仲間じゃ……!」



慌てふためいたように片方の男が指をさす。
もう一度サンジ君と顔を見合わせてからそっと構えた。



「どうやらこいつらが……」

「……ビンゴってわけね。」










*****









「そいつらってもしかして……。」

「何か知っているの?」

「間違いない、研究所の奴らだよ。
 ……遅かった、まさかこんなにも早く見つかるなんて……!」



ムツは顔を更に白くさせて、悔しそうに唇を噛んだ。



「詳しい事情はまだ飲み込めてないけど、
 その男二人を締め上げたらは他にいた仲間と共に既に船へ連れられて出航してしまったようなの。」

「何だって!じゃあもうこの島にはいねえのか!?」

「そうなるわね。でも安心して。」



ロビンはにこりと笑うと、サンジがポケットから何かを取り出した。



「それってエターナルポース?」

「そう、あの野郎共が研究所がある島のエターナルポースを持ってたんだ。」

「じゃあこれがあればを追えるってわけね!」

「うし!じゃあを助けに行くぞー!!」

「おおー!」

「ちょっとまだ私事態が飲み込めないのだけれど。」

「詳しい事は船で話すわ。ゾロとフランキーにも説明しないといけないし。」



慌ただしく立ち上がった麦わら海賊団へ、あの!、とムツが声を上げた。
一様にムツに注目する中、彼は一度目を伏せてからぐっと何かを決意したかのように顔を上げた。



さんを……必ず助けて下さい。僕…まだ何も恩返しもできてません、感謝の言葉だって…。
 それにもう、あんな思いは二度としてほしくないんです!さんの楽しそうなあの笑顔をどうか守って下さい!」



怯えたように震え、俯いたムツにルフィは近づくと右手を頭に置いてそのままポンポンと軽く撫でた。



「心配すんな!は必ずおれ達が助ける。何たっては大事な仲間だからな!」

「……!」



眩しいくらいの笑顔でそう言ったルフィをムツは目を丸くして見上げた。
周りの仲間達も皆笑って、その表情からは問題ないと言っていることがありありと伝わった。自然とムツの瞳に涙が溢れてくる。



「ありがとうございます……!!よろしくお願いします!」

「おう、まかせろ!」

「おれ達が必ず連れ帰ってくるからよ!」

「安心して。こいつらにかかったらそんな奴ら何てことないんだから!」



頼もしく笑う皆をムツは見て、少し安心したかのように微笑むとはい、と小さく返事した。


走り去って行った彼らの背中をムツはじっと見つめていた。そっと肩にリトが手を置く。



「とても頼もしい、いい仲間達だね。これならきっとちゃんも大丈夫だよ。」

「……はい。必ずルフィさん達はさんを助けてくれます!」



ぎゅっと握りしめていた手を解く。
もう彼らは見えなくなってしまったが、構わずムツはじっとその先を見送っていた。













掬い取られた欠片の行方。













話の繋ぎの都合でちょっと短め。
さあ、夢主を助けに行きましょう。

10.9.19