学校が終わって暇だったので、ちよちゃんにゲーセン行こうとお誘いしたら
そんな気分じゃないから嫌、とあっさり一蹴された。
仕方ないので一人で近場のゲーセンに行くことにした。
中は色んなゲーム機の音が大音量でひしめき合ってやかましい。
でも慣れたもんで気にはしない。
何をやろうかと適当に店内をぶらついて、目についた格ゲーの前に座った。
まったく知らない名前だったがまあいいや。新鮮だし。
早速100円を投入してプレイ開始。
キャラは何かとても厳つい顔をした熊にした。
技を確認しつつバッサバッサとコンピューターを倒していくと
画面が切り替わって向かい側の人が勝負を仕掛けてきた。
顔は見えなかったし、特に気にも留めずに乱入者と勝負することに。
こう見えても格ゲーの腕には自信があったが、初めてプレイしたやつだからどうだろう。
そんな心配も杞憂に私は相手に勝った。
向こうもなかなかの腕前であともう少しで負けそうだった。
勝利の余韻に浸りながらもう一度プレイしようとすると、またもやお向かいさんが勝負を仕掛けてきた。
しかもキャラが先程と同じでコンマ0秒くらいで仕掛けてきたのでさっきと同じ人だと思われる。
何だ何だ負けず嫌いだな、と思いながら勝負したら今度はこっちが負けた。
いやいやそんなハメ技反則じゃないすか。
これじゃあ引き下がれんと100円を投入して再戦。
勝ち負け勝ち負けを何度か繰り返してよっしゃ今度はこっちが勝ったと
ガッツポーズを決めてたら向かい側の人が勢いよくこちらに顔を出した。
「っだあぁぁああ!何なんだよアンタ!!」
「うおわっ!」
いきなり叫びだして私の姿を見留めると、ずかずかとこちらに歩み寄ってきた。
「さっきから何回も何回も!何で負けて引き返さないんだよ!」
「んなっ…!それはこっちの台詞だ!
一回負けた時点で大人しく引き下がらんかい!」
ぎゃあわあとかなり無意味な言い争いを続けて、
店員さんやお客に白い目で見られてるのに気づいた頃、
こちらもお互い体力気力の限界とこの争いの不毛さに気がついてぜいぜい言いながら互いの顔を見やった。
「なんかもう止めにしない…?」
「……そうだな。」
「あそこ椅子あるし、ちょっと休戦しよ。」
備え付けの長椅子に腰掛けさせると、隣にあった自販機でコーラと午後ティーを買った。
「ほれ、どっちがいい?」
「あー、じゃあコーラで。…あんがと。」
「いいえ。」
隣に座って午後ティーに口をつける。あー、生き返る。
「そういや、アンタもよく見たらその制服、立海の生徒なんだな。」
「そういう君もね。何年?」
「2年。つかアンタ俺のこと知らないわけ?」
「何それ自意識過剰?じゃあ私3年だから後輩だね。つか名前は?」
そう答えるとくるくるふわふわしたワカメ頭の子はマジで知らないんだ、
とかぶつくさ言ってから一人結論が出たのかまぁいいや、とかなんとか言って私に向き直る。
「2年、切原赤也。これでもテニス部レギュラーで有名なんスけど。ま、よろしく。」
「私は3年の。切原君テニス部だったんだ。最近テニス部率高い気がする。」
「へえ。そうなんスか。」
「仁王君と丸井君と同じクラスなんだよ。」
「ふーん、先輩たちと一緒なんスか。
それにしても先輩もなかなか格ゲー強いっスね。俺も結構強いほうなんスけど。」
「まーね。ゲームは好きだから。クイズとかそういう系は苦手だけど。」
「あー、わかりますわかります。」
「でも、ぷよぷよとか落ちゲーもわりと強いよ。」
「マジすか!じゃあ対戦しましょうよ!」
「お、やるかー。」
このあと、切原君とぷよぷよやらテトリスやら音ゲーやら
はたまたUFOキャッチャーまでとゲーセンで遊びまくった。切原君はどれもなかなかに強かった。
その後もゲーム談議に花を咲かせて結構話が合ったので携番もちゃっかり交換してしまった。
久しぶりに白熱した楽しい一日だった。
二人はゲーマー。
11.1.16