USJに向かう電車に乗って、その間ずっと小春ちゃんはおしゃべりが止まらなかった。
私も久しぶりだし、学校のことや家族のこと色々と話をした。
そうこうしてたらあっという間に着いた。随分早く感じたな。



「おー、これが噂の。」

ちゃん初めてやったっけ?」

「うん。あ!あの地球儀テレビで見たことある!」

「ほら、ちゃん走ったら危ないで。」



チケットを買って入場すればそこはもう別世界。
というかあの千葉の夢の国よりこっちは映画のセットみたい。
街並とかがなんというかシュッとしてるみたいな。
あっちがメルヘンならこっちはスタイリッシュというか。
(うまく表現できないが)



「じゃあどれから乗る?」

「そうだなー、とりあえずスパイダーマンのやつから行きたい!」

「オッケー。そこから行きましょか!」












*****













「あー!手!手ぇ繋いどる!」

「しかも恋人繋ぎっすね。」

「なんやと!許さへんど!」

「うっさいわユウジ!勝手に行こうとすな!財前も煽んなや!」




―四天宝寺の面々もまた入場してきていた。

テーマパーク内でつるんでコソコソと小春達の後をつけている。



「何が悲しくてムサい男とUSJ来なあかんねやろな。わざわざチケットまで買うて。」

「それ言うたらお終いやで謙也。
 せめてこの雰囲気だけでも味わって行かなやってられへんやろ。」



どこか遠い目をして言う白石に謙也もため息をついて頷いた。

アトラクションの一つに入って出てくるまで、
あーでもないこうでもないとユウジを宥めすかしていると、
出口から二人仲良く話をしながら出てきた。



「……なんかもう諦めたほうがええんとちゃいますか。」

「何がや!何をや!」

「色々と。」

「なんやとコラ!」

「あーもう落ち着けって何回言わすんや!」



ぎゃあぎゃあ騒ぎ立てる者とそれを止める者。
結局余計に騒がしくなっているということには気づいてない。
そんな喧騒の中に入ってきたのはその場に居合わせいないはずの声だった。



「ちょっとあんたら何してんの!!」

「………あ。」

「……あらら、バレましたね。」



目の前に立っていたのは渦中の人、金色小春だった。














*****













アトラクションの建物から出て、次はどこに行こうかと
小春ちゃんと話をしていたら何かやけに騒がしい集団がいることに気づいた。

少し離れた先に何やらもめている4人組がいた。

喧嘩だろうか。

ぼうっと何となしに眺めていたら、
小春ちゃんも気づいたのか私の視線を辿ってその人達に目を留める。
すると驚いたような表情に変わると、私の手を掴んでその集団に近づいていく。

え、ちょ、何で?



「ちょっとあんたら何してんの!!」

「………あ。」

「……あらら、バレましたね。」



小春ちゃんがその人達に声を上げると、
一斉にこちらを見て私達を見た瞬間気まずそうな顔をした。
(ピアスがめっちゃついた子はしれっとしていたが)











*****













その後、適当なレストランに入って事情を小春ちゃんが問いただした所、
一氏君(名前呼んでたから多分そう)という子が小春ちゃんが
浮気してるかと思って、私達の後を着けてきたらしい。
他のメンバーは小春ちゃんと同じ四天宝寺のテニス部の人達だそうで。
(わざわざ一緒に着いて行って優しいなぁ)



私と小春ちゃんはただの従兄弟だと説明すれば、かなりオーバーなリアクションを頂いた。
(流石、大阪)(本場は違うねぇ)

それから、がみがみすごい剣幕で一氏君に怒る小春ちゃんを
あーあー恐ろしや、と眺めていたら金髪の子が私に話しかけてきた。



「そういや自分、何にもつっこまへんねやな。」

「何が?」

「ほら、小春とそいつのこと。」



ぴっと指をさす方には涙目で謝る一氏君。
(そろそろ可哀相なのではないだろうか)

他の二人も疑問に思ったらしくこちらの顔を見ている。
ああなるほど、と合点がいって頷いた。



「まあ、小春ちゃんから皆さんの話はよく聞いてたからね。」

「ほんでか。ああ、せやせやまだ名前言っとらんかったな。俺は忍足謙也。」

「テニス部部長の白石蔵ノ介や。」

「…財前光っす。」

「私は。よろしく。」

「で、あそこで小春にしばかれてんのが全ての元凶一氏ユウジや。」

「あれまあ。」



小春ちゃんがついには手も出し始めていたので
止めに入れば、ちゃんがそういうのなら、と止めてくれた。



「しかし小春も従兄弟ならそうと言うてくれればええのに。」

「何や一氏なんかまだ文句あるんかい。」

「まあまあ小春ちゃんも落ちついて。」



ぷんすか怒る小春ちゃんを宥めていると一氏君が私をめちゃくちゃ鋭い目つきで睨んできた。
(目つき悪っ!)



「従兄弟やからまあ許したるけどな
 ……ええか!小春は俺のも『やかましいわ!』…ぶべっ!」



財前君を除く皆で声を揃えて一氏君を叩いた。
(息ぴったりだな)




その後、せっかくここまで来てもらっていたので皆で遊ぶことになった。
やたら一氏君が絡んでくるのでどうしようかと思ったが
その度に白石君や忍足君がフォローしてくれるので助かった。
(小春ちゃんは怒ったりしたけど)

まあ決して悪い人ではないし小春ちゃんのことが好きすぎるだけなので仕方ない。
案外話できたし。皆で賑やかに遊べて楽しい一日だった。










大阪の人達と知り合いました。










11.2.4