部屋をクーラーでガンガンに冷やして、昼寝するという環境にも身体にもよろしくないことをしていた。
耳に届いた電子音にふつ、と意識が浮上する。
ベットの上で暫くぼんやりして、覚醒しきらない頭で音の出所を探る。
枕の横を見たら携帯のランプがちかちかと点滅していた。
誰だろう。
ぱかりと携帯を開けばメールが5通、着信が7件もあった。何これ恐い。
恐る恐るメールから開けば受信ボックスに丸井君から2通、切原君から2通、仁王君から1通きていた。何事。
最初の1通目の丸井君からのメールを開けば
『前も連絡したけど、今日が大会試合の日だからな!忘れんなよ!』という内容だった。
………しまった、すっかり忘れてた。
静かに焦りだしていると着信が鳴った。…丸井君からだ。
出たくないけど出ない訳にはいくまい。意を決して通話ボタンを押した。
「もしも「てめー何で来なかったんだよぃ。」
開口一番に私がもしもしを言い終わるまでに早口で被せられた。
怒鳴ってはいないが静かに怒っていらっしゃる。
何かこっちの方が恐い。まだ怒鳴られた方がいい。
「すみませんでした。」
「で?」
「昼寝してたら時間とっくにすぎてましたマジすんませんでした。」
「ほーお。人が汗水垂らして頑張ってるって時に?約束すっぽかして?」
「ごめんなさい生きててすみません許して下さい。」
ひたすら謝り倒しているとはああ、と盛大なため息が聞こえた。
ん?そういえば試合結果はどうだったんだろうか。
「そういや試合どうだったの?」
「あ?勝ったに決まってんだろぃ。」
「うっわ、言い方ムカつくな。」
「常勝立海大だからな。当然。」
「でもま、勝っててよかったよ。おめでとう。」
「さんきゅー。」
声が少し明るくなり雰囲気も柔らかくなったのを感じて安堵した。
すると急に向こう側からがさごそと何かの音と、何すんだよ、という丸井君の声が聞こえた。
「おーい、丸井君。」
「ピヨッ。」
「は?……ああ何だ仁王君か。携帯奪ったんかい。」
「選手交代ぜよ。それにしてもお前さん酷いのー。すっぽかすなんて。」
「それに関しては謝るしかないですごめんなさい。」
「ま、いいんじゃけど。」
「本当ごめん。つかさっき仁王君の後ろの方から
切原君が密かに私を罵る声が聞こえるんですが。」
「おお、赤也もがアホじゃって言うとるわ。」
「だからごめんって言ってるのにもう勘弁しとくれ……!」
降参、と言わんばかりに平謝りすれば喉の奥でくく、と仁王君が笑った。
「別にそないに怒っとらんよ。
次は決勝戦じゃき、ちゃんと来んしゃい。」
「はい、わかりました……。」
じゃあの。そう言ってからぷつりと電話が切られてしまった。
つかもう決勝とかいつの間にだ。
改めて自分のスルー事件に反省した。次は絶対忘れないようにしよう。
すっぽかす。
11.2.20