もうすぐ夏休みも終わる。


あれから全快、とまではいかないけど、
仁王君や丸井君達は少しずつ元気になっていったようだった。

この前電話で話した時は残り少ない夏休みをいかに有意義に過ごすか丸井君は語ってたし、
仁王君は暑いのがすこぶる苦手なのか早く夏なんか過ぎればいいと連呼していた。


そんなこんなで私も後少ない夏休みを何しようかと考えていたら、切原君から突然電話がかかってきた。



先輩!助けてほしいんです!」

「だが断る。」

「即答!?冗談抜きでマジやばいんスよ。」



切原君の時折寄り道したヘルプを要約すれば、夏休みの宿題の英語ワーク1冊が丸々白紙らしく、
おまけに切原君は英語が苦手、切原君のためにならないからと友達は写させてくれない。
(いい友達じゃないか)

そういった理由で私に泣きついてきたようだ。



「でも何で私?テニス部にもいるんじゃない。」

「それガチで言ってるんですか。
 先輩らに教えてもらったら絶対に痛い目みます!」

「……あー、うん、まあそうかも。」



真田君や柳君辺りに言えば説教された上厳しくされそうだし
幸村君も・・・なんか恐い。他もまた然り、か。



先輩前に文系って言ってたじゃないですか。だから最後の手段でどうかと。」

「私は最終手段かい。」

「頼みますよ〜。このお礼は必ずしますから!」

「…わかったよ。家においで。解る範囲なら教えてあげる。」

「マジっスか!あざっす!じゃあ昼前には行きますんで!」


調子よく電話を切られ、暫し携帯を見つめてため息をつく。



……ううむ、とりあえず部屋、掃除しとかないとな。












*****













そろそろ来る頃だと思っていたら、ピンポンとチャイムが鳴ったので玄関に向かった。
やたらピンポンピンポンと鳴らしまくるので、はいはい、と若干声を荒げながらドアを開ける。



「……何か増えてるくね?」

「よー。」

「ちぃーっす。」



ドアを開けたら切原君に銀髪と赤髪がプラスされていた。何故に。
じとりと切原君に視線を向ければ申し訳なさそうな顔をしていた。



「すんませんっス!途中で先輩達と会って事情を話したらついてきちゃって……。」

「おいおい〜、人を捨て犬みたいに言うなよ。」

「暇だから来ちゃった。」

「仁王君が来ちゃったとか言ってもかわいくないから。
 まあいいや、とりあえず皆上がって。」

「お邪魔しまーす。」

「しまーす。」

「ます。」

「最後二人ちゃんと言えよ。」





2階の私の部屋へ案内して適当な所へ座ってもらう。



「飲み物何でもいい?」

「あ、はい。すいませんっス。」

「俺いちごオレー。」

「ペリエがいいー。」

「はいはいなっちゃんでいいね了解ー。」



文句たれるわがまま二人を放置して台所へと向かう。
切原君だけが素直でいい子だな。たまにひねくれてるけど。





なっちゃんオレンジを注いだグラスを持って部屋に戻ると好き勝手部屋を漁る輩が2名いた。




「ちょいとお客さん勝手に部屋引っ掻き回さないでくんない。」

「おお、ゲーム機だけでも全部揃ってんじゃね?
 お!これ64じゃん!懐かしー。やってもいいか?」

「もう勝手にしろ。切原君は本来の目的の方がんばろうねー。」

「はーい。」





丸井君と仁王君は64を勝手に繋げて遊びだしたので、こちらは切原君の宿題を手伝うことにする。



「……で、ここはこの文法当て嵌めれば簡単に解けると。」

「おー、なるほど。単語はこれであってます?」

「うん。あってるよ。」

「ういっス。……あー、そういやこの前先輩駅前のゲーセンいましたよね。」

「たぶんいたね。声かけてくれればよかったのに。」

「いや、声かけようかと思ったんスけど先輩あまりにも険しい顔でミクやってるもんだから。」

「ああ、そん時エクストリームのカルテットクリアできるか瀬戸際だったからだよ。」

「あー、あれ後半の譜面鬼畜ですもんね〜。」

「最近赤也までのボカロ影響が出てる気がするのう。」

「違うっスよ仁王先輩。先輩とゲーセン行くと
 必ずミクやるもんだから、横で見てる内に嫌でも覚えちゃうんですよ。」

「いやあ、曲数増えたからますます燃えてきちゃって。」

「ぽっぴっぽーのエクストリームとか鬼仕様ぜよ。」

「ねー、私あれ即行閉店したよ。」

「……お前らの会話についていけねー。」












*****










「……終わったー!」

「おー、よくできました。」

「英語嫌いの赤也のわりには上出来じゃん。」

「でもかなりきつかったっスよ。」



何とか切原君の宿題を終わらせて一息つく。
かくいう丸井君達は今度はマリテニをしていた。
(君たちゲームでもテニスやるのか)



「じゃあ4人揃ったしゴールデンアイしようぜぃ。」

「うっわ懐かしいっスねーそれ。」

「何気に面白いんだよね。」

はやるゲームのジャンルが幅広いな。」









*****











「いやあ盛り上がったなー。」

「まさか仁王君があんなに手投げナイフが神がかってるとは思わなかったよ。」

「プリ。」

「俺なんか執拗に狙われてなかったスか。
 やられすぎて一般市民クラスなんですけど。」

「気のせい気のせい。」

「じゃー次何する?」

「まだやんのかい。」




その後結局桃鉄をやることになり、お菓子を食べたりしながらやんややんやしてたら扉を叩く音がした。



入っぞー。」

「おう、兄ちゃんおかえり。」

「お邪魔してまーす。」

「あ、柊さんちわっス!」

「よー切原。」

「赤也知ってんのか?」

「前に先輩の家来た時に会ったんですよ。柊さん超いい人なんで!」

「いやあ残念な兄貴でも気に入ってくれて嬉しいよ。」

「残念言うなコラ。」

「あー、こちら同じクラスの丸井君と仁王君ね。」

「どうもです。」

「うんよろしく。いつもうちの妹が世話んなってます。」

「いえいえそんな。お世話してますけど。」

「してもらってねーよ。さらっと返してるけど。」

「じゃ、まあゆっくりしてってよ。そうだ、晩飯食ってくか?
 今日親仕事遅くなったみたいでさ、材料ちょっと多いんだよね。」

「マジすか!食べます食べます!」

「いいのか。」

「皆がよければどうぞー。」

「じゃあすいません、ご馳走になります。」

「了解。じゃあできたら呼ぶからな。ごゆっくりー。」



パタン、と扉を閉めて兄ちゃんは去って行った。


「へー、あれがの兄貴かー。」

「うん。残念な感じでしょ。」

「いや残念ではないじゃろ。まだよく知らんけど。」

「柊さんがご飯作るんスね。」

「まあね。当番だから。まずくはないから安心して。」

「おー。んじゃ桃鉄再開しようぜぃ。」

「うげ。そういや私キングボンビーついたまんまだった。」

「お前絶対こっち来んなよ。」



そのあと遊んだり話したりして時間が経って、皆で晩ご飯を食べてお開きになった。
今日は疲れたけど楽しかったです。まる。
あれなんか作文みたいになった。












遊びにやってきました。









今の子は64とか分かるんだろうか・・・。
コアなネタで申し訳ない。


11.4.16