文化祭はいろいろとあったけど、なんとか無事に終了した。
結局私のクラスは優勝できなくて、仁王君がものすごく落ち込んでいた。
でも代わりに山センはジュースを皆に奢ってくれたので私はよかったと思っている。



秋も過ぎ去りだんだん空気が冷たくなってきた。
中に着る下着が一枚増え、首にはマフラーを巻くようになった。

教室ではまだ暖房をつける期間にはまだなっていないので、
冷える体を暖めるべく膝かけをし、温かいココアで暖をとった。


「あんた冬支度早過ぎるわよ。」


ちよちゃんが私の格好を見て呆れたように呟いた。


「そんなこと言われたって寒いものは寒い。寒いの嫌い。」

は冬が近づくといっつも防寒ばっちりになるもんね。
それ見ていつもああ寒くなってきたんだなって実感する。」

「ちよちゃんは寒さに強すぎだよ!
見てるこっちが寒いくらい薄着だし。」

「そんなことないわよ、ちゃんと必要な防寒はしてるし。」


そう言ってぴらぴらと薄手のカーディガンを引っ張るちよちゃん。
いや、無理。私そんな薄いの一枚じゃ凍えてしまう。


「ところでさあ、最近どうなの?」

「何が。」

「ほら、例の彼と。」

「例の彼?誰それ。」

「もう!鈍いなあんたは。あいつよあいつ。」


くい、とちよちゃんの親指が斜め後ろを指す。
おおう、なんかその指差しかっけーな。ヤンキーみたい。ちょっと表出な、的な。

余計な事を考えてたのがばれたのか
ちよちゃんがイラッとした表情になったので、慌てて指を差した方を見る。
そこには怠そうに机にへばり付いている仁王君がいた。


「何で仁王君。」

「何でって。文化祭でなんかあったんじゃないの?」

「え?…ああ、確かにちょっと一悶着あったけどちゃんと仲直りしたよ。
図書委員の片付けも手伝ってくれたし。優しいよね仁王君。」

「…それだけ?」

「うん。」


私が頷くとちよちゃんは何故か盛大にため息をついた。なんでだ。


「まさかそんなノーアクションだとは。」

「何の話?」

「いや、うん。まあだからね、しょうがないっちゃしょうがないな。」

「よく分からないけど馬鹿にしてない?」

「そこそこしてる。」

「ちくしょう。」


なんで馬鹿にされてるのか知らないけど、ちよちゃんは一体私に何を求めているのだろうか。
少しうんうん悩んだあとちよちゃんはぱっと顔を上げて、自分のミルクティーを飲みはじめた。


「お悩みはもういいの?」

「うん。なんかもういいや。の自然な成行にまかせる。」

「なんじゃそりゃ。」


どこと無く吹っ切れた様子のちよちゃんに首を傾げながら、窓の外を見遣る。
ひらりと木から枯れ葉が落ちてかたかたと風が窓を揺らした。
冬はもうすぐ近くまできている。









それからそれから。






12.6.24