昼休み、学食だと言うちよちゃんにお弁当を片手に着いて行く。
学校が馬鹿でかいだけに学食も無駄に広い。
けどいつもなかなかに混み合っている。
適当に空いてる席に座り、私はお弁当をちよちゃんは買ってきたカレーをテーブルに置いた。
いざ食べようと包みから取り出して、お弁当の蓋をぱかっと開ける。
中身を見た瞬間また静かに閉じてしまった。
開ける閉めるを繰り返していたらちよちゃんが怪訝な表情で見てきた。
「ちょっと何やってんの。」
「いや、その…お弁当が……。」
再び目を疑いたくなるような光景をちよちゃんにも見せるべく蓋を開けた。
「…これはまた見事な日の丸ね。」
「やりやがったなお母さんめ……!」
お弁当に詰まっていたのは真っ白に輝くご飯と中央に堂々と鎮座する梅干しのみだった。
要は日の丸弁当である。
しかし何故こんなに米をぎゅうぎゅうに詰めたのか……。
こんなに白米いらねえよ。
「どうりで寝坊したわりには弁当仕上げるの早いなぁと思ったんだよ。」
「もよく気がつかなかったわね。」
「今日は私も寝坊してさ。ばたばたしてたから。」
あはは、と渇いた笑いをこぼすとちよちゃんは呆れたような目を寄越してきた。
「……ちよちゃんカレーこっちにちょっと分けてくんない?」
「嫌に決まってるでしょ。」
「やっぱり…。しゃあない、おかず何か買ってくる。」
「いってらっしゃい。」
椅子から立ち上がったら、目の前を通り過ぎた赤髪の人が私の弁当を二度見していった。
明らかに顔がマジかよって表情で横にいた頭がつるりとした人と共にスタスタと去って行った。
……丸井君だっけ。確か。
いいさ、もう思いっきり笑うがいいよ。
出そうになったため息を飲み込み、ポケットに入った小銭入れを握り直して生徒が群がる売店へと突入した。
ごはんはおかずになりません。
11.1.8