何だか今日は無性に駄菓子が食べたい気分だったので、
朝からやっている馴染みのある駄菓子屋さんで大量にお菓子を買ってきた。

しかも駄菓子屋のおばあちゃんがモロッコヨーグルをおまけしてくれた。
なんだか得した気分だ。



休み時間になって袋からヨーグルを取り出して木のスプーンでもさもさ食べていると目の前に誰かの影が被さった。



「お前はまた懐かしいもん食ってんなぁ。」

「ああ、丸井君。」



影の正体は丸井君だった。
私の前の席にどっかりと座ると、勝手に駄菓子の袋を漁りはじめた。



「ちょいと許可なく漁らないでくんない。」

「いいじゃねぇか別に。でも何で駄菓子ばっか?」

「なんか今日は駄菓子が食べたい気分だったんだ。」

「ふーん。…お、このうまい棒のチョコくれよ。」

「いーよ。でもあとのもう1本は残しといて。」

「おう。サンキュ。」



丸井君は嬉しそうにさくさくとうまい棒を食べはじめた。
本当何でもうまそうに食べるよなこの人。10円のうまい棒なのに。

この前の花見の時といい、丸井君は甘い物が好物らしい。
そうこうしてる間に丸井君はうまい棒を食べ終えてまた袋を漁っている。



「もっとくれよい。」

「いやどんだけおこがましいの君。」

「いーじゃん。まだ俺10円分しか食ってねー。」

「金で換算すんなよ。てか駄菓子なんて単価そんなもんだろうが。」

「どれにしようかなー。」

「無視かコラ。」



なんて奔放なお子さんなんだ。
全く聞く耳を持たない赤髪を引っ張ってやろうかと思ったが止めた。
ファンクラブ的な何かに報復されそうだし。それだけは勘弁。



「ん?これミルクせんべいだろい。練乳無いのにどうやって食べんだよ?」

「練乳持ってきてるよ。勿論。」

「マジかよ。」

「当たり前じゃん。ミルクせんべいなのに。」

「いや普通は学校に持ってこねーよ。」



丸井君の微妙に呆れた眼差しを受けて、食べないの?と問い詰めたらあっさり食べると折れてきた。
(わかりやすいくらい単純だな)



「じゃあ、はいこれ。」

「何だ?サイコロ?」

「それで出た目がミルクせんべいの枚数ね。」

「変な所凝ってるな。」



サイコロを振ったら出た目は3だった。



「あー、なんだ3枚かよい。」

「残念。でも3枚くらいが丁度いいんだよ。」



黄色のせんべいを3枚取り出して、練乳を塗って挟んだ。
もっといっぱい塗れよとか横槍入れてきたが無視した。

私が自分の分も作ってると、やたら怠そうな仁王君がこっちにやってきた。
こちらの手元をじっと見つめてたっぷり間を置いてから口を開いた。
(完全寝起きじゃないか)(さっきの授業爆睡してたしな)



「何で学校でミルクせんべい?」

「食べたいから?」

「いや、聞くなよ。」

「仁王君も食べるならサイコロ振って。」

「何や縁日みたいやの。」



素直にサイコロを片手に包んで転がし始めた。
結局君も食べたいんだね。

ころん、と机に転がしたサイコロの出た目は5と3で8だ。


……8?



「何でサイコロ2個あんの!」

「おー、8枚か。6と6はさすがに出んかったか。」

「仕込みやがったなこの野郎。」

「仁王ずりー。俺も俺も。」

「駄目に決まってんじゃんやめろ!」



仕方ないので仁王君に8枚挟んで渡してあげた。うん優しいな私。
その後も駄菓子を二人にたかられてしまい(主に丸井君に)ほとんど食べられてしまいました。









個人的駄菓子祭。











11.1.16